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タイトル アートコレクション展

『山下透アートコレクション展のこと』

アートコレクション会場

 忙しい仕事の息抜きに絵を見ることを楽しみにしていたが、いつの間にかちょっとしたコレクションになってしまった。元々、個人コレクション展など如何にも自慢げで、私の美学に合わなかったが、尊敬する美術評論家大倉宏氏のお誘いであったので、喜んで開催することとした。大倉宏氏は、画廊新潟絵屋の代表、かつ、新潟市から昭和初期の建物(元日銀支店長邸宅)砂丘館でのアート企画の委託を受けてNPO型のアート活動を続ける美術評論家である。

こうして私は、2009年7月、この砂丘館で、約40点の作品を運びこんでのコレクション展『絵は僕を思索に誘う』を開催することとした。出品作品はルオー版画の他、リ・ウーハンや草間弥生、松田正平など現代美術作品であったが、大変好評であった。大倉さんに感謝!

山下透アートコレクション展

巻頭挨拶 コレクション展『絵は僕を思索に誘う』

我が絵画コレクション人生
     『好きな絵に囲まれ思索する至福のひととき』・・山下透

 「私は今、書斎&サロンで、マーラーを聴きながら読書している。流れる曲はルキノ・ヴィスコンティの映画『ベニスに死す』でも使われた交響曲5番第4楽章“アダージョ”である。好きな絵に囲まれ、珈琲を飲みながら思索する。最高に贅沢なひと時だ。

 コレクション人生も30年を超える。何故絵など買うようになったのだろう。昭和40年代前半に損保業界に入り、高度経済成長時代を生きてきた。仕事は充実感もあり、概ね満足できる会社人生であったが、もう一つの自分の世界を築き上げたい願望を常に心の隅に感じていた。そんな時、ブリヂストン美術館でルオーの『郊外のキリスト』を見て感動、それからである、私のルオー探索と現代美術コレクションが始まったのは・・。

 特にコレクション哲学などという立派なものはないが、私にとっての美術品コレクションは一言で言うなら、“心の贅沢と知的な冒険”ということになるだろうか。芸術とは崇高かつ難しいものである。西洋の古典絵画について言うなら、ヨーロッパの歴史観やキリスト教に関する知識は必須であり、学ぶことも重要である。一方、現代美術は作家自身の生き様の表出であり、作品鑑賞には人間理解や想像力、時代認識が必要である。

 つまり、私にとっての絵画コレクションとは“人生探求の旅”なのかも知れない。私は表面的な美しさより、知的で深い精神性を感じさせる絵に魅かれる。絵の見方も、目に見えるものを見るというより、絵全体を包む空気を感じたり、作家の思いを読み取ったりすることを楽しみにしている。ジャコメッティの彫刻に漂う空気感に魅かれ、長谷川等伯の『松林図屏風』やリ・ウーハンの作品に余白の美しさを感じる。“絵は見るものではなく、読むもの”だと思っている。“絵を読む”とは“思索すること”、もっと言うなら、“本当の自分と向き合うこと”であり、“人間や人生について考えること”に他ならない。」  

展覧会挨拶 大倉宏氏(美術評論家・砂丘館館長)   

『“静謐感”・山下コレクションの声』   大倉宏

 山下透さんとお会いしたのはいつだったか。はっきり思い出せないが、「アートNPO推進ネットワーク」という組織を立ち上げようとされていた時期に、いろいろご連絡いただいたのを思い出す。細やかな連絡の取り方に、いかにもビジネスの世界で生きてこられた人の仕草を感じた。「アートNPO推進ネットワーク」は東京の美術コレクターの方々をコアとして生まれた小組織で、共通する作家のコレクションを持ちより展覧会を開いたり、他地域の画廊に作家を推薦紹介するなどの活動を数年展開し、今は小休止しているが、その活動は「市民派コレクター」という新しい響きの言葉の登場と平行して、時代を先取りする重要な動きだったと思う。

砂丘館でのコレクション展をお願いし、久しぶりに東京でお会いした山下さんは髪も短くなり、心持ち日焼けして元気そうだった。コレクションを置くマンションの一室をサロンにして、美術史家を招き少人数参加の西洋美術史講座を定期的に主宰し、近くイタリアにその仲間で旅行するとのこと。目が輝いて、魅力的だった。ビジネスの世界(会社人生)をしっかり生きてきたこと、ビジネスから離れて行ってきたことがひとつに、自然なかたちで繋がって山下さんの今の幸福を作りだしているようだと感じた。

その山下さんの絵画コレクション(の一部)に触れるのは初めて。この小さなリーフレットができた後にそれらをじっくり見せていただくことになるだろう。送っていただいた写真に感じる印象を口にすれば、深い静謐感とも言うべきものが共通して感じられる。個々の作り手の声である絵が繋がり、重なって、それらを見、感じたもうひとりの「見手」の感性がホログラムのように浮かび上がる。テーマでなく、個人の目で、心で集められたコレクションの味わいだと思う。

 

コレクション展『絵はぼくを思索に誘う』  山下 透      (AS 会誌 掲載)

 1、初めてのコレクション展

  初めての個人コレクション展である。いままでもコレクション展開催の機会はあったのだが、余り乗り気にならなかった。収集した美術品を人目にさらす行為がいかにも自慢げで、私の性に合わなかったからだ。しかし、今回は、ふとその気になった。何故か。一つには、人間的にも尊敬できる大倉宏氏からのお誘いであったからだ。もう一つは妻を亡くし、自らも癌を患い、一人暮らしも手伝って、聊か厭世気分が強まった数年間であったのだが、このところ体調も回復し、今年は気分転換の年と決めたばかりであった。そして六十歳代半ば、そんな節目の年に人生を振り返ってみるのも悪くはない、そう思ったのである。

そんな時、大倉さんから新潟砂丘館でのコレクション展のお話があった。大倉さんは元新潟市美術館の学芸員であり、美術評論家、そしてNPO型画廊新潟絵屋の代表でもある。この五月、新潟から夜行バスで上京してきた大倉さんとお会いした。大倉さんとは、新潟絵屋&アートNPO推進ネットワークのコラボレーション展覧会を企画した仲でもあり、久しぶりの再会に話が弾んだが、早速、コレクション展の計画概要を伺い、開催期日や出品作品についての打ち合わせに入ったという訳である。

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展示作品

アートコレクション展 展示作品 ルオー他

 

アートコレクション展示作品 山内龍雄他

 

アートコレクション展示作品 横田海 他

 

アートコレクション 展示作品 白髪一雄他

 

アートコレクション 展示作品 草間弥生 他

コレクション展 リーフレット裏側

 

アートコレクション展リーフレット

コレクション展 DM

 

アートコレクション展DM

 

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