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アートNPO推進ネットワーク通信    2002,4

アートNPO通信 タイトル

1号  アートNPO活動の提唱と組織立上げ

 日本にも素晴らしい芸術文化がありますが、国民生活におけるレベルは決して高いとは言えず、欧米から"経済一流、芸術文化三流"のレッテルを貼られています。政治や行政が経済重視の国作りを推進するのは当然のことですが、大量生産・大量消費と効率優先のかげで失われたものも大きいのです。ヨーロッパを旅すると、ローマ時代からの石畳や寺院・オペラ座などの歴史的建造物、古い装飾をそのまま生かした新建築などが並び歴史・文化が庶民生活の日常に溶け込んでいることを感じます。日本のようにいたるところにコンビニや自動販売機があるといった社会生活ではなさそうですが、そういう便利さや効率性など特に羨ましがっている様子はなく、週末はオペラを楽しみ、日曜日には安息日を守るといった生活の中で培われた歴史・文化を尊ぶ生き方には一目置かざるを得ません。日本においても江戸から明治・大正そして昭和初期には伝統文化が庶民生活のなかに息づいていたように思いますが、日本人は戦後の高度成長と中流階級化のなかで、そういう良さをどこかに失くしてきたようです。

 芸術などというものはそう大層に考えるものではなく、"美しいものを美しいと感じる心"さえあればいいのであって、芸術を教養として高級なものとみる日本人の国民性というのは、結局、日常性のなかに文化がないことに起因しているのだと思います。よく言われることですが、美術展・演劇・音楽会の入場料はどうしてあんなに高いのでしょう、京都の寺もなんであんなに高い拝観料をとるのでしょう。国・公立美術館の常設展なども無料でいいし、国宝の仏像などは庶民がもっと気軽に鑑賞できるようにすべきです。美術業界について言えば、残念ながら売り手本位の不透明な価格設定や業者間交換会にみるように特殊で閉鎖的なマーケットのままで、欧米型オークションもなかなか根付いていません。絵画を投資とみる企業家や金持ちだけを顧客とみるのでなく、本当に美術が好きな層の裾野を広げていくといった戦略こそ必要な筈です。美術館も評価の定まった作家の展覧会だけでなく、年齢やキャリアにこだわらず質の高い作家を発掘し、庶民がもっと気軽に美術に接することができるような冒険と努力をすべきと考えます。

 いうまでもありませんが、私達の生活は経済的にだけでなく精神的にも豊かであるべきで、そういう豊かさ実現の鍵は、日常のなかに美を感じられるような生活そのものにあるのだと思います。昨年、文化芸術振興基本法が国会で成立しましたが、いまさらこんな法律にいったい何ができるのだろうかと訝しく思っています。結局、問題を解決できるのは政治・行政でも美術業界でもなく市民レベルの活動なのかもしれないと、私と私の仲間たちは考え"日常生活のなかの豊かさ実現"に向けたNPO型のアート活動の旗をあげることといたしました。活動の中核を担うのはアートコレクター、それも投資のための絵画購入とは一線を画した純粋にアートが好きな人達で構成するつもりです。

 私達が考えているのは、コレクターのネットワーク化と草の根型のアート市民運動であり、プロフェッショナルではない市民型コレクターが優れた作家や作品について情報発信することによりアートの世界に新しい風を起こすことです。従って、このネットワークはコレクターだけでなく、質の高い作品に挑戦するひたむきなアーティスト、絵を商うだけではない見識とニューウェーブを感じさせる画商など美術関係者そしてNPOに関心のある個人など、あらゆる人達により構成されるものです。組織も全国各地のアート活動とのゆるやかなネットワークをイメージしており、組織作りそのものが目的ではなく、アートの世界に本格的なNPO運動を巻き起こしたい、そのための一歩を踏み出したい・・というのが私の本音です。そして夢は、いつの日か東京のどこかにコレクター仲間によるNPO美術館を作ることにあります。

2号  第一回企画『ぼくらの森本秀樹コレクション展』

2002年4月に、コレクターを中心とした「アートNPO推進ネットワーク」が立ちあがった。  組織作りよりも実質的なアートNPO活動を優先するという方針のもとに、コレクターズクラブ主催の第一回コレクション展がこの5月、銀座のK’sギャラリーとの連携により実現した。企画は御子柴大三山下透両名よるもので、16人ものコレクターが森本秀樹氏一人のために参画するという今までなかったコレクション展が話題を呼び、アートNPOへの関心もおおいに高まった。

 

3号 推薦作家森本秀樹氏、アートNPOに作品寄贈

宇和島シリーズなどで活躍の人気作家森本秀樹氏はアートNPO推進ネットワークの第1回コレクション展作家に選ばれ、16人ものコレクターが参集する素晴らしい展覧会となったが、これを記念してアートNPO活動に作品2点を寄贈し、話題を呼んでいる。代表理事の山下透氏によれば、「最近いかにもNPOを理解した風な人が増えているが、みずから行動する人はほんの一握り。そういうなかで森本さんの行動には頭が下がります。アートNPO活動に役立たせていただきます」と答えている。


『月刊ライト』記事(編集部小柳氏取材)

4号 アートNPO推進ネットワーク基本構想固まる

5号 第二回企画『横田海コレクション展』開催される

アートNPO主催による第二回コレクション展が、10月2日から9日にかけて銀座「ギャラリーしらみず美術」にて開催された。企画はアートNPOの御子柴大三及び山下透両名、展覧会会場はNPO活動に理解のある白水真子さんによる無償提供、そして横田海作品のコレクターが自分のコレクションを持ち寄るという三者のボランティアにより実現したもので、一人の作家のために大勢のコレクターが参集するという新しい試みが美術界に話題を提供することとなった。特に横田海氏は美術団体とは一線を画した制作活動を続ける一匹狼的存在で、こういう実力はありながらめだたない作家の展覧会開催こそアートNPO市民運動に相応しく、現に展示作品も具象、抽象ともレベルが高く、鑑賞に現われた目利き達をおおいに満足させた。初日のオープニングパーティーは、アートNPOに好意的な「ギャラリー汲美」代表磯良卓志氏の乾杯の音頭、コレクター代表中村文俊氏や画廊オーナー白水御夫妻の挨拶を皮切りにおおいに盛り上がった。なお、DMやポスター制作のデザイナー白石好恵さんや、作品展示・展覧会運営の藤川さんなど画廊スタッフの方々のボランティアによる御支援にも感謝!

参加コレクター及び出品一覧

出品者
作品名
サイズ
制作年
種別
太田保子
軌跡
P8号大
1997年
油彩
片岡靖雄
追想
20×30
1997年
油彩
菅生 白
風景
F3号
1994年
油彩
乾物と瓶
F6号
1978年
油彩
東洋食品風景
F8号
1979年
油彩
ひまわり
F8号
1977年
油彩
20章-27
S10号
2000年
油彩
鈴木忠男
パリの風景
6号
油彩
高橋健司
散文詩
12号
1996(1999)年
油彩
街景
6号
1993年
油彩
富塚千恵
未知
F6号
1995年
油彩
中村文俊
裸婦考
F6号
2001年
油彩
冷気
10F号
2000年
油彩
南風原英雄
少年像
F4号
1979年
油彩
佐貫駅
P12号
1982年
油彩
シーレ考
P6号
1996年
油彩
クムロフ風景
P4号
1997年
油彩
平井勝正
21章-5
S3号
2002年
油彩
バルセロナ風景
19×21.5
1997年
油彩
藤本治聖
建物
SM
1992年
ガラス絵
増田きよみ
20章-24
38×31
2000年
油彩
御子柴大三
裸婦
SM
2002年
油彩
山本勝彦
風景
0号
2001年
油彩
横田歴男
黒のスペース
F30号
1998年
油彩
火葬場
P10号
1979年
油彩
欧州風景(ウィーン)
P4号
1997年
油彩
横田海
バルセロナ
P10号
1996年
油彩

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